村・留学とは
人口減少や少子高齢化、環境問題の顕在化など、社会課題に対して、これからの生き方を模索しているする若い世代が増えてきました。同時に、自分の生き方に疑問を感じ、ライフスタイルを見直したいという方が増えています。「今の自分の暮らしに何か違和感がある」「新しい生き方を模索したい」と感じる方々のニーズに応えるべく、私たちは持続可能社会のためこれからの暮らしと社会を考える人達がこれからを生きる選択肢の獲得を実現するためのサポートを提供しています。
村・留学生はさまざまな理由で参加しています。具体的には次のような声があります。
- このままで良いのかと漠然とした不安感がある。
- 日本の中山間地域や離島に行ったことがないため行ってみたい。
- 海外に行った際、海外の文化や風習に感動をしたが、日本のことを聞かれ答えられないことを体感した。
- 日本の文化を学ぶ機会がない。
- 同世代と語り合いたい。
- 真剣に未来を話し合う友人がほしい。
- 都会でしか暮らしたことがないので、田舎で暮らしてみたい。
- SDGsに関心があるが、具体的に何かがよくわからないので、知りたい。
そこで、私たちは地域資源の専門家である、地域の方々と協力し、地域資源を教育資源にし村・留学を実施しています。
具体的には、地域の方が地域主催者として地域ごとに村・留学を主催しています。
地域ごとの地理や歴史の特性から異なる風習がライフスタイルに溶け込んでいます。
例えば、村・留学主催地域である京都の久多は、平安時代初期から記述が見られ、1000年もの長い歴史を紡いできました。国税庁のデータによれば、企業が30年続く割合はわずか0.2%とされている現代において、これほど長期にわたりコミュニティが持続してきた背景には、「長く持続させるための技術」が隠されていると考えられます。
久多の歴史から持続可能な社会のヒントを学ぶためのポイントは以下の通りです。
自然に寄り添う「Art of Living」としての再評価: 厳しい環境条件下でも、自然と調和しながら暮らす知恵を「Art of Living(生活の技術)」として捉え直すことが重要です。
低コストな自然エネルギーの活用: 現代的な高コストなシステムに頼るのではなく、古くから実践されてきた自然エネルギーを低コストで活用する技術に注目することで、持続可能なリソース管理のヒントが得られます。
ライフスタイルに溶け込んだ風習: 地域固有の地理や歴史的特性から生まれた風習が、単なる行事ではなく日々の生活様式(ライフスタイル)に深く根ざしている点に、社会を維持する仕組みを学ぶことができます。このように、久多の歴史は単なる過去の記録ではなく、自然の利を活かして賢く生き抜くための「持続性の知恵袋」として、現代社会における価値を再定義していく対象となります。例えるなら、久多の歴史は「千年以上枯れることなく水を供給し続ける深い森の古井戸」のようなものです。最新のポンプ(現代技術)がなくても、地形や自然の循環を読み解くことで、最小限の力で命を繋ぎ続けるための確かな「作法」を私たちに教えてくれます。
そういった村とこれからの社会を担う若者との関わりを作る。そのために設計されたプログラムが村・留学です。


