他人の価値観に寄り添うということ

少し緊張も打ち解け始めたプログラム初日。

僕たちは白くて大きな模造紙にフィールドワークで自分たちのやりたいことをたくさん書き込んでいた。
村・留学のプログラムのひとつにフィールドワークというものがある。
参加者は地域の暮らしや人たちの考え方を理解するために現地を訪れて話を聞くのだ。

今回僕たちは、自分の興味がある分野で活躍しておられる人の元へ訪ねることになった。
そこで出逢った人が菊岡さんである。菊岡さんはずっと同じ地域で生まれ育ち、
50年近くその土地で教育や街作りに献身している熱い想いを持った人である。
僕は、菊岡さんの話を詳しく聞くまで
「どうしてこんなにも行動力があり発言力がある人なのに市内や都会で活動しないのだろうか?市内や都会で活動した方が良いのではないか」
と漠然と疑問に思っていた。
しかし、菊岡さんの話を聞いていると、すぐに自分の考え方とは違った価値観を持いることに気がついた。
菊岡さんの話の中では、言葉の節々に「熱い想い」が込められていた。

それらの言葉を聞いたときに僕は、
大切なのは「どこで活動するか」なんかじゃなくて「自分の活動に対する想い」なのだと感動した。
人として本当に大切なことは、持っているお金の量や周りからの評価ではなく、
自分自身と関わっている(共に生活している)人に対する「想い」なのだと菊岡さんの話を聞くことで知ることができた。
その地域で生活している人たちにはそれぞれの想いがある。
その想いをくみ取り尊重し合っているからこそお互いを気遣い助け合って生きていくことができる。

この記事にフィールドワークで学んだことを全て書くことはできないけれど、1つだけフィールドワークで学んだとても大切なこと共有したい。

それは、「他人の価値観に寄り添うことの大切さ」である。
僕たち学生はまだまだ未熟で利己的になったり、自己を中心に物事を捉えたりしてしまう。
しかし日々の暮らしの中にはたくさんの関わってくれる家族や友達、先生、先輩たちがいる。
自分の周りで生活している人達の「想い」や「価値観」を尊重し寄り添うことで
相手や他者を受け入れられるきっかけになるのではないだろうか。

この村・留学を通して本当に数多くの価値観に触れ、違いを感じ、受け入れることができた。
この体験は間違いなく自分自身の成長の糧になっていると思う。

<文=辻 惟吹 / 編集=大村 美晴・日野 涼介>
辻 惟吹 2020年度 プレ村・留学 宇陀 参加者
立命館大学 3回生 / 自分が表現することや誰かが表現している作品を鑑賞することが好きで最近はよく個展にいきます

PAGE TOP